弱虫男子

「こっち!」


黒板とノートを正確に行き来する

彼女の視線を追いかけていたら

思わず声になった。



昨日までは

見ているだけでよかったのに。



やだな。


恋とかしたくない。

ハマリたくない。



そう思うそばから

ノートの落書きに気づかない彼女に

イライラしている。