弱虫男子

いつもよりおしゃべりなナオミが

共通の話題を探して

彼女にたどり着いた。



「彼女とうまくいってんの?」


「うん。大好きみたい。」


うまくいっているかはわからなくて

そう答えた俺に


ナオミは黙ってうなづいていた。


俺は口に出してみて

やっぱり彼女が好きだと実感した。



何もかも受け入れてくれるような

気がしてナオミには素直になれた。



「俺、彼女のこと誘拐でもしよっかな~」


「あぶなー!

誘拐・監禁!やりかねないよね!」



「したいけど、やんないよ。」


ナオミはウケル~と喜んでくれた。


俺はふざけてはいたけれど、

本当の気持ちを

ちょっとずつ口にだすことで


長い間たまっていた

モヤモヤがすっと

晴れていくようだった。