弱虫男子

教室に入っていくヤスのあとを追う。


あ!ナオミ!


ヤスが開けっ放して行ったドアを

閉めて振り返ると



ナオミはちょっと姿勢を正した。


その姿が従順な子犬のようだった。



「彼女のことかばってくれて

ありがとな。」


「いいのいいの!

あたし強いでしょ!?」


「うん。びっくりした。

よくできました!

ほんとサンキューなっ!!」


頭を撫でてやると

ナオミはいつも通り微笑んだ。