弱虫男子

ヤスはまた単語帳に視線を戻していた。


「彼女は一人だけって

誰が決めたの!?


てゆーか、もう別れんじゃないの!?」



へ??



「ちょっとぉ~」


あっけにとられる俺をかばう

正義のヒーローのように

ナオミが登場した。


こいつ…全部聞いてたな。



「前川さん、何言ってるかわかってる?


彼女いるやつに告ってどうすんのよ。」



「別に関係ない。

どうでもいいもん、あんな女。」



そう言うと前川はポケットに手を突っ込んだ。