弱虫男子

バスに乗り込む時、

ポケットが震えた気がして


慌てて探る。



なんの変化もない、

冷たいままの携帯。



それはかじかんだ指先では

うまく扱えず

手からこぼれ落ちてしまった。



気がつけば、

バスはもういない。



何でだろう。



こんなに好きなのに、うまくいかない。



ちゃんと声に出して言った。


「もう…やめよ。」



そして俺は学校まで40分かけて歩いた。