弱虫男子

彼女は確かに今、

崖っぷちに立たされている。



昨日までのポジションはもうない。


誰かの気が変われば

突き落とすことは容易だろう。



でも、明日になれば

元に戻る。


きっとうまくやれる。


彼女にはそういう力があって、

誰かの力を必要とはしていない。




俺、いらないかな



「ああぁぁぁ」



その場にしゃがみこんだ俺を

野球帰りのヤスが

教室まで引きずった。