弱虫男子

彼女のことだから、


彼氏とイチャついて

誰かの機嫌を損ねるようなことは


したくないいんだろう。



休み時間にはそっと消えて

空気のように過ごして、


この問題を

なかったことにしたいんだろう。



俺は彼女からちょっと離れて、


「それならいいんだ。」


とバカみたいに答えた。



たぶん高校生になってから初めて

一人でトイレに行く彼女の背中を

見送りながら


冷たい廊下で立ち尽くしていた。