「んっ・・・」


頭に走る痛みで、私は目を開けた。あのあと、どうしたんだっけ?

重い頭で周りを見渡す。ここは・・・。さっき景品を手に入れたゲームセンター?


「ああっ・・・あっ・・・」

妙に震えた声の主を探すと、柳沢君子がこちらを向いて、震えていた。

どうやら、柳沢も同じ状況に立たされているようだ。

「っ・・・!あ、琉々菜?」

振り向くと、希依那がいた。その隣には、美舞もいる。どういうこと?あのあと、うちらはゲームセンターを出たはずだけど?


「んっ・・・。ここ、どこ?」

気持ち悪い程甲高い声がして、全員でそちらを向く。鶴見鶫・・・!?

この静かなゲームセンターには、ヤナギサワ、スズキ、ツクシ、ツルミが集まっているようだ。他に客らしい人たちはいない。


どくん、どくん、と心臓が嫌な音を立てている。何が起こるの・・・?その時。ゲームセンターのスピーカーから音声が流れ始めた。

【こんにちは。選ばれた方々。今回は、このゲームセンターで、ゲームをやっていただきます。早速始めますので、皆さん、指定された場所へご移動願います】

ゲームセンターのイベントか何かだろうか?もしかしたら他の客は外に出されているのかもしれない。


【サイオンジ、ナンバー19の台へ。ヤナギサワ、ナンバー31の台へ。スズキ、ナンバー25の台へ。ツクシ、ナンバー36の台へ。ツルミ、ナンバー42の台へ。】

なんで、全員の名前・・・知ってるの?

そのことに疑問を覚えたけれど、とりあえず、指定されたUFOキャッチャーの台へ移動する。

【全員移動完了。これから、ひとりずつ、1回だけUFOキャッチャーをやっていただきます。そして、景品が取れましたら、クリアとなります】


なぁんだ。簡単じゃない。何度やってると思ってるの?

【では、サイオンジ】