【プーッ。ーーー栗田愛子さん、ありがとうございました。

サイオンジ、分かりましたか?

あなたはそんな過去も知らずに、このゲームセンターでやってはいけないことを犯したんです。】


そういえば、私はこのゲームセンターで、子供を殴ってお金を奪ったり、店員に媚を売って景品を無料(タダ)でもらったりしていた。

そうだ、柳沢を恐喝して、あらぬ方法で景品を買ったりもした・・・。

呆然としている私をどこから見ているのか・・・。

スピーカーが告げる。

【フフフ。思い出してきましたか?

だから、栗田愛子さんは怒って、あなたをこのゲームに巻き込んだんです。

・・・あなたと関わった人と共に、ね。

ーーー本当に、ヤナギサワやツルミは可哀想ですよ。

全くの無実ですからね!

・・・ただ、ヤナギサワとツルミが知り合いだったのは偶然でしたが。】

そんな・・・。じゃあ、この人は誰なの?

最初から最後まで、このゲームを監視していた人・・・。


「・・・ねえ、あなたは、誰なの?」

【私は・・・愛子の父親だ。】

急に声色が変わった。

予想外の答えに目を白黒させる。

栗田愛子の、父親・・・?

【ずっと後悔していたんだ。

愛子にあんなことさせたこと。

だから、最後くらい、愛子の復讐を成功させてやりたかったんだ・・・。】


少々涙ぐみながら、栗田愛子の父親と名乗る男が言う。

【サイオンジ達を誘拐した時、体にボタン1つで爆発する装置を埋め込んだ。

それを押して、サイオンジ達を殺していった。】

それは、私の身体にも装置が埋め込んであることを意味していた。

ゾクリと寒気がする。