ゲームが始まる前、スピーカーの音声は、こう言っていた。

勝利者は、敗北者を殺すか、生かすかを決める権利がある

と。でも、最後の課題は、

殺し合いをしてください

だった。

あまりにも矛盾しているではないか・・・。

そんなことをおもって、自嘲する。

これで、いいのだ。

私は常に全ての人間のトップに立っていなければならない。

このデスゲームでも、それは同じだ。

私が勝つことは、必然なのだ。


【おめでとうございます。

このゲームの勝利者は、サイオンジに決定致しました。

なお、サイオンジはツルミを殺すことを選択致しましたので、サイオンジは1人で(リアル)に帰っていただきます。】

やった・・・。やっと、終わった。

【最後に、このゲームのプロデューサーを紹介致します。

ーーー栗田愛子さん。前へおいでください。】

誰がたたいているのか、パチパチと音が聞こえる。

終わったという安心感と、計り知れない恐怖に苛まれる。

ドクドクとなる心臓を抑えつつ、私はしっかりと前をみた。

【プーッ。

ーーーコンニチハー!栗田愛子、7サイデス。

ワタシハ、20ネンホドマエ、コノゲームセンターデシニマシタ】

ドクン、と心臓が鳴る。いま、なんて?

【ソノウラミヲハラスタメ、コノゲームヲケッコウシマシタ。

セイゼン、ワタシノオヤハ、ワタシニボウリョクヲフリ、マンビキヲサセマシタ。サイテイナオヤデシタ。】

つまり、栗田愛子ちゃんは・・・虐待されて、罪を犯されてたってこと?

【ダケド・・・。

オヤノキゲンガ、イイトキハ、コノゲームセンターニツレテキテクレマシタ。

デモ、ツイニ、ケイヒンヲヌスンデコイ、トイワレタンデス。

ワタシハ、サカラッタラコロサレルカラ、ヌスモウトシタンデス。

ソシタラ・・・『トリダシグチ』ニハサマッテ、シンジャッタンデス。】

嘘でしょ・・・?このゲームセンターに、そんな過去があったなんて。