「フフッ。楽しそうな設定ですね。

頑張りましょうね、琉々菜さん。」

バクバクと心臓が音を立てる。

絶対に負けるのに・・・こんな勝負、意味無いのに。


というか、さっきみたいにあからさまにズルだとわかる結果ならば、主催者は気付くのではないか?

なぜ、主催者は気付かなかったのだろう?



主催者は、気付いていたが、わざと気付かないフリをした



あるかもしれない。

今更、怖くなってきた。

このゲームの主催者は、どういう奴なのだろうか?

すると、スピーカーから声が聞こえてきた。

【第一戦目。・・・ウインクをしてください】


「はぁっ!?ゲームセンター内のもので戦うんじゃないんですか!?」

予想外の展開に、鶫が顔を歪める。

ざまあみろ。絶対、勝ってやる。

とっ、とりあえず・・・ウインクをすればいいのだよね?

私はいつもやっているように、パチリと片目を閉じた。

大きな目が、片方瞼に隠されたのが、分かった。

続いて、鶫がウインクをする。

下手くそだ。これは、私の勝ちでしょ?

【結果・・・ツルミの勝利】

「えっ!?」

【今回の採点基準は、どれだけウインクが下手かを計測させていただきました。

このことから、ツルミが勝利となります】

なにそれ?

採点基準が知らされないまま、そんな理不尽な結果突きつけられて・・・。

そんなの、最後までどっちが勝つか、分からないじゃない!

ひどすぎる・・・こんなの、ひどすぎる!

どれだけ心の中で嘆いても、ゲームは待ってはくれなかった。

【続いてのゲームとなります。

続いては、宝探しです。

このゲームセンター内から、リボンがくくりつけられている鍵を探し、みつけたら、それを持って今居る場所に置いてください。

それでは・・・スタート】