ゲームセンターにご用心

そう言ったのは、ふぅだった。

「そうやって、金持ちアピールしてさぁ・・・。まじ、しらけるわ」

っ!?はあっ・・・?

「あんたっ・・・私にそんな事言って、どうなるか分かってる!?

あんたの人生、めちゃくちゃにしてやってもいいのよ!?」


「あのさぁ。

ここでは、金持ちとか貧乏とか関係無いんですけど?

そもそも、ここを生きて帰れるかも分からないじゃないですか。

そういう事は、現実(リアル)に帰ってから言ってくれませんかぁ?」

こいつっ・・・!!!

柳沢を葬って助けてやったのに、ムカつく奴!!

「っ・・・!

つまりは、あんたと私は死なずに帰ればいいってことよね?つまり」


二人同時に、鶫の方を見てしまった。

そして、同時に言ったのだった。

「「鶫を、犠牲にすればいいってこと」」

次の瞬間、鶫の顔がフッと暗くなった。

そして、不気味な笑みを浮かべて言った。

「そんな簡単に、行きますかねぇ?」

鳥肌が立った。

なに、こいつ?おかしい。

雰囲気が、あきらかに・・・。

【続いて、あちらのゲームをしていただきます。

皆さん、右手前方をお見やりください。】

全員がそちらを向くと、そこにはごく普通のホッピングゲームがあった。

台の上で飛び跳ね、距離を競うというものだ。

つまり、体力勝負ということね。

私は少しずつホッピングゲームに近づき、指先で台を撫でた。

「やりましょう!」


【では、台にお立ちください】

私は、真ん中に立った。

両端をふぅと鶫が挟む。

これで、2人が何キロ進んでるかが、すぐ分かる。

【スタート】

一気に飛び跳ねる。よし、トップだ!

「あっ・・・」

鶫ががくんと前のめりになる。

やっぱこいつ、運動神経悪かったわ〜(笑)

「ぎゃはははは!さっさとあんたを潰して、現実(リアル)でふぅを潰してやるよ!」


サッとふぅの顔が青くなる。

まさか、ここまで上手くいくとはね・・・。

その間にも私はどんどん進んだ。

ゴール。ゴールはどこ!?

早く、ゴールしなきゃっ・・・!