「は、はい……」
でも、今からだと間に合わないんじゃあ?
天宮さんは、あまり時間がとれないし……
そう思っていたら
天宮麻梨子が
「あら、それならいい素材が居るじゃない。
景ちゃんが代わりにやってくれたらいいじゃないの!?」
思いついたように言う。
えぇっ!?課長が?
「おい、何勝手なことを言ってるんだ?
俺が代役なんて出来る訳ないだろ。俺は、
役者でもない素人なんだぞ」
「あら、全くの素人じゃないじゃない。
何たって高校時代では、演劇部の部長だったんだし。
私も何度か景ちゃんの指導を受けたことがあって
上手いのよ?彼。」
フフッと得意そうに笑う彼女。
演劇部の部長!!?
課長の意外な過去に驚いてしまう。
似合わないと言うか……意外だった。
「麻梨子。学生の芝居とプロを一緒にするな。
俺の演技は、お前と違って未熟だしブランクだって長い。
同じようには、出来ないぞ」
眉を寄せてそれに対して拒む課長。
確かに……学生の演技にプロのような芝居は出来ない。
オロオロしながら見ていると
天宮麻梨子は、チラッと私を見て
「恋人役の男性は、台詞がないのよね?」
そう尋ねてきた。
「えっ?はい。
CMなので台詞は、ありません。ただ
恋人らしく演じて頂ければ……問題はありません」



