初めての企画が通った作品だから
成功させたい。でも、時間がないし……無理だよ。
どうしたらいいか、分からず

泣きそうになる。

そうしたら課長が
「分かりました。
出て頂けるか交渉してみます」
とんでもないことを口に出してきた。

課長!?

「いや~楽しみにしてるよ」

えぇっ!?
課長……そんな無茶苦茶な条件を呑むんですか?
いくら何でも無理よ……。

だって相手は、人気女優。
絶対に申し込んでも断られてしまう。

クライアントと別れて
エレベーターを待っている時に慌てて言う。
「どうしてあんな無茶な条件を呑んだんですか!?」
課長らしくない。

しかし課長は、
「心配するな。俺が何とかする」
冷静な表情で言ってきた。

「どうやって!?」

「…………。」
黙ったまま何も言わない課長。
だが複雑そうな表情をしていた。

課長……?