「ごめんなさい……阿部さんの気持ちは、
本当に嬉しいの。
嬉しいけど……そんなに簡単に割り切れない」
いくら阿部さんが素敵な人でも
課長の代わりになれない。
私は、簡単に割り切れるほど器用じゃないから。
すると阿部さんが
「簡単に割り切らなくてもいい。
俺が……忘れさせてやる」
そう言うと強引にkissをしてきた。
いやっ!!
無理やり剥がすと私は、阿部さんの頬を
思いっきり叩いてしまう。
「ごめんなさい……」
叩いてしまった罪悪感と何とも言えない感情に
動揺して私は、逃げ出してしまった。
こんなはずじゃなかった……。
課長に対しても阿部さんに対しても
こんな気持ちで接したかったわけじゃない。
なのに……
胸が張り裂けそうになるぐらいに苦しい。
涙が溢れて止まらなかった。
私は、何とか自宅に帰ると
ベッドに倒れ込みひたすら泣いた。
泣き過ぎて声がガラガラになってしまうぐらいに。
それでも朝は、残酷のようにやってくる。
会社に行きたくない。



