「す、すみません……」
複雑な気持ちで謝った。

「ったく、冗談じゃねぇ……」
呆れながら溜め息を吐く恵斗さん。

(うっ……)
不機嫌にされて、しゅんと落ち込んでしまう。

そうしたら希美さんが
「もう……そう言った態度をしないの。
千奈美ちゃんだって色々あって大変な思いしてるんだから。いい?
千奈美ちゃんに迷惑をかけるんじゃないわよ?」
恵斗さんに注意をしてくれた。

「へいへい……」
全く興味なさそうに返事をする恵斗さんに
さらに複雑な気持ちになってくる。

そんな気持ちのままテレビ局まで行くことに。
今日は、ドラマ撮影と雑誌撮影がある。
希美さんと別れると私は、恵斗さんの後ろをついて中に入った。

2人で歩いていると
フッと後ろを振り返る恵斗さん。

「いつまでも後ろで黙り込んだまま
歩くのやめてくれる?
何か気が散るんだけど……」

「えっ?あ、すみません。えっと……」
どうしたらいいか分からずオロオロしてしまう。
この場合どうしたらいいのだろうか?

「隣を歩けばいいだろ?
早くしなよ。時間がないんだから」

「は、はい。」
慌てて彼の隣に並ぶ。
隣に立つと何だが余計ドキドキしてきた。