結局やや強引に香織さんに送ってもらうことに
なってしまった。
もちろん恵斗さんも一緒で……。

香織さんが運転する車の助手席に恵斗さん。
私は、後ろの席に座った。
恵斗さんは、強引に連れて来たのでかなり
不機嫌にムスッとしていた。

気まずい……。

「もう……そんなにムスッとしないの。
あなたの仕事に連れて行ってあげるんだから」

「俺は、別に頼んでないし……。
それより、さっき話していた病ってどう言うことだよ?」

えっ!?
恵斗さんの言葉にドキッとする。
もしかして恵斗さんは、知らないんだ?

「あぁ恵斗には、話してなかったわね。
千奈美さんは、パニック障害って言う病を持ってるのよ。まだ治療中だけど」
平然と私のことを説明する香織さん。

するとはぁっ?とした表情を見せてきた。
「はぁっ?そんな病を持ってて俺のマネージャーに
なったのかよ!?」

そう言われると申し訳ない気持ちになってくる。
病気を持っているとやっぱり……嫌だろうか。

「あら、いいじゃないの。
彼女は、前向きに治療を頑張っているのよ?
それに陸斗のお見合い相手なんだし、今の内に
仲良くなっておきなさい」
クスクスと笑いながら言う香織さん。

仲良くしておきなさいって……
逆に嫌われてしまったので複雑な気持ちだった。