拒んで……課長。

「……俺は……」

「景ちゃん……お願い。もう一度
もう一度私を見て……」
そう言い天宮麻梨子は、課長にkissをしてくる。

まるで映画やドラマのようなラブシーン。
腕を絡めて甘いkissをしている。

そうすると課長は、応えるように
抱き締め返えす。
段々と熱いものになっていた。

私は、それを息をするのを忘れるぐらい見ていた。
目の前で見て……課長の気持ちを知った。
そして、とんでもない大きな壁があるのだと知る。

あんな綺麗で素敵な奥さんが相手なら
敵うはずがない。
いくら離婚してバツイチだったとしても

お互いに嫌いになって別れた訳じゃない。
お互いにすれ違っていただけで
本当は……今でも想い合っていたのだ。

誤解が解けて……気持ちを知った以上。
誰が止めるのだろうか……?
元……夫婦だった2人に。

私は、彼らの間に入ることも出来なかった。
ううん。もともと相手にもされていなかった。
だって……

課長の目には、いつだって私じゃなくて
梨々花ちゃんや奥さんしか見ていなかったんだもの。

ただ魔が差しただけ……
あぁ、関係がある訳じゃないから魔も何もないか。