だとしたら、一言ぐらい言ってくれても……?
そう思いながらも課長を捜す。
会えば、会うだけ気まずい雰囲気になるけど
上司だし……。
こう言う時に上司と部下の関係が辛い。
捜していたらチラッと課長の姿が見えた。
あっ居た!?
すると課長は、部屋に入って行く。
慌ててその部屋に行くと名札には、
『天宮麻梨子』と書かれていた。
どうやら天宮さんの控え室だったようだ。
でも、何で課長が……ここに?
動揺をしていると話し声が聞こえてきた。
私は、いけないと思いつつも隙間から
覗いてしまう。
すると天宮さんと話してるようだった。
「今日は、楽しかったわ。
ブランクがあるなんて思えないほど景ちゃんの
演技素敵だったわ。
まるで高校生に戻った気分ね」
フフッと嬉しそうに笑う天宮麻梨子。
「茶化すな。あれは、仕方がなくやったまでだ。
上手くいったからいいものの本当なら素人俺が
やるべきじゃなかったんだぞ」
「あら、どうして?演技力があるなら
そのチャンスを掴むべきよ?
あなただって昔は、同じ道を夢見てきたじゃない」
すると溜め息を吐く課長。
「俺は、お前ほど実力も人気も無い。
だから、その道を諦めて……普通のサラリーマンになったんだ」



