気持ちの落ち着きと共に季節は巡り、高校3年の春がやってきた。今日から1学期が始まる。うちの学校は3年生にクラス替えをやる。いつものように、汐里と悠人の3人で登校。
「今日クラス替えじゃーん。」
うきうき気分の悠人。
「悠人はしゃぎ過ぎ!汐里とあたしは同じクラスになれないんだよねー。悲しいぃ。」
双子だから同じクラスになることはない。どうしてそんな決まりがあるのだろうか。一度くらい同じクラスにしてくれてもいいじゃない。そう思いながらあたしは汐里に抱きつく。
「また真帆と悠人が同じクラスになったりして!」
ニコっと笑う汐里。
「あー、あり得る!」
「俺ら、小学生ん時からずっとクラス一緒だよなー。」
「腐れ縁というか、なんというか…」
「わたし、いつも一人だけ違うクラスだから羨ましいな。」
汐里は口をきゅっと閉めて、首をかくっと下げた。
「そういや、俺と汐里って同じクラスになったことないね。」
「ちょっと寂しいな。」
「まあ、同じクラスって言っても休み時間は一緒にいるし、そんな変わんねぇよ。」
悠人は汐里の頭を優しく叩く。
「そうだよね!」
汐里は悠人が叩いた頭を触れて嬉しそうに笑った。