「お前うぜぇよ！消えろ！！」
彼は言う。
小3の割には小さい背の彼と、クラスで一番大きかったあたしとはかなりの差がある。
ーーガッ。
ふと足を蹴られた。
あぁ、痛い。でも、痛いなんて言っても彼には届かない。言ったところで、意味なんてないんだ。

青アザはこのまま、どんどん増えていく。そして、消えない。
まるで、あたしの心を写してるみたい…。

「あんたなんて、いなくなっちゃえばいいのに！」
彼女は言う。
おしゃれに興味がなく、いつも似たような服を着ているあたしとは違い、有名なブランドで揃えた可愛い服。
親友とまでは行かなくとも、仲は良いはずだった。同じマンションに住んでいるし、習い事のプールだって、3年生の時の大縄大会も、一緒に行っていた。
「そうだよ！」
「愛生って、すごいうざいよね！」
周りにいた女子たちも言う。
向こうはだいたい、6人くらい。それにあたし1人だから、負けるなという方が無茶だろう。第一、まだ小4の子どもなのだ、私たちは。そこまで強い訳じゃない。

あぁ、耳も心も痛い。ナイフで刺されているようだ。

「早く死んでくんない？」
彼女は言う。
パッチリとした二重の目。一重で小さい目のあたしとは大違いだ。
「バカ、アホ、うざい」
彼は言う。
どちらかと言うとポッチャリとした体型。どことなく、ジャイ○ンを彷彿とさせる。

あぁ、あたしの心は何度血を流してきたのだろうーー。

そこで、目が覚めた。