本当にいるんです。




みんなが沖縄へ向かったのは朝の10時。

私は無事に着きますようにとずっと願っていた。

おばあちゃんも私の隣にきて、手を握ってくれた。

「おばあちゃん、何見たの?」

私は不安からか聞いてしまった。

「それがねぇ…飛行機は無事に沖縄へ着くんだよ。その次の日、夜のレストランの帰りに襲われるんだ。金品を要求されて、顔を見られたから…」

おばあちゃんは涙を流した。

私はお母さんにメールを打とうとした。

「未来は変えられないんだよ。何回も悪い予感がするとその前にやる事を変えてみた。そしたら違う形で悪い事が起きる。」

私はメールを打つのをやめた。

きっともうお母さんにもお父さんにも弟にも会えないんだ。