「おばあちゃんって超能力者なの?」
「いいや。違うよ?でも、なにか感じたり見えたりするんだ。」
「感じたり?見えたり?」
「そう。あれは、おじいさんが死ぬ3日前のことだったかな?嫌な夢を見たんだ。おじいさんがお風呂場で倒れる夢を。それから3日後まったく同じ形でおじいさんは死んでしまった。それからずっと何か感じたり、見えたりするんだよ。」
おばあちゃんは涙ぐみながら話してくれた。
きっと辛いんだと思う。
「楽しみにしていることも一気に悪い方へ考えてしまうからね…こんな感覚は欲しくなかったよ…」
それからというもの、おばあちゃんが言う事は当たり続けた。
そして今回の沖縄旅行。
お母さんとお父さんは難しい顔をしたが、弟はそんな事気にせずに浮き輪で遊んでいる。
「タカシも楽しみにしてますし…いきましょうよ!」
沈黙を破ったのはお母さんだった。

