そう…私は彼氏と同棲をしていた。
勿論、陸も他の社員から聞いていたのに…
頭の中を陸の言葉がリピートする。
自宅に着き
「疲れちゃった」と言って先にシャワーを浴びてさっさと布団に潜り込んだ。
『好きです!彼氏いても好きなんです!付き合って下さい!』
耳から離れない…
(何かの間違いだ…有り得ないもの…彼氏いても付き合って下さい?無い無い…罰ゲームみたい…ん?罰ゲームか!そうだ、罰ゲームだよ!罰ゲームで、私に告白しろって命令が出たんだわ(笑)あんなにストレートに言うなんて有り得ないもの(笑)明日、言ってやろう!騙されませんよ!って(笑))
陸の言葉を罰ゲームだったと理解して寝込んだ。

次の日の朝
「おはよ~」
「お、おはようございます…」
しどろもどろの陸に小声で
「罰ゲームに引っ掛かりませんよ(笑)」
と言った。
陸は、驚いた顔をして私を見た。
(ほ~ら…やっぱり!罰ゲームだったんだわ(笑))
陸の肩をポンと叩き自分のデスクについて仕事を始めた。
(え~と…これが売り上げだから…ん?)
ふと気になった視線…視線の先には陸が、私をジーッと見ていた。
慌てて視線を逸らす。
(な、何よ!?何で見つめてるのよ!?)
少しドキドキしていた自分がいた。
あのストレートな告白をされたら罰ゲームと解っていても意識してしまう。陸の顔も声も好みのタイプだったから…
(何ドキドキしてんのよ!?あれは罰ゲーム!私には、彼氏がいるの!)
そう自分自身に言い聞かせていた。
その日の昼休み突然私の前に来て
「メアド教えて下さい」
と言って来た。
私のいた会社は、社長から社員迄お互いの連絡先は把握していた。
だから私は
(あっ、(仕事の)連絡の為ね。)
「良いわよ」
連絡先を交換した。
「有り難うございます」
「いえいえ、解らない事あれば聞いてね。答えられる範囲で教えるから」
「はぁ…あ、あの何時メールしても平気ですか?」
(ん?彼氏いるから気にしてくれるのかなぁ?)
「何時でも良いわよ。返信遅くなるかもしれないけどね(笑)」
「解りました!」
陸は、嬉しそうに笑って言いました。