たとえば呼吸をするように

土屋の言葉への返事に、迷いはない。


「任せて……!」


土屋の長い指が優しい手つきで金色の髪を梳く。


「柳はさっき……金色の髪で、って言ってくれたけど……その必要はすぐになくなるから」

「……え?」

「黒髪でも、お前は……お前のことだけは、見つけられるようになる」


こんなに嬉しいことが、他にあるか。

一度は止まった涙が再度溢れ出してくる。

反対に、私が沢山のものを貰ってしまったね。


たとえば呼吸をするように、土屋の隣に私がいることが当たり前になって、笑顔の花が咲き乱れていればいい。

ふたり、同じ未来を見ていればいい。


その時はどうか、土屋の世界が沢山の色で溢れていますように。


fin.