「合格おめでとうございます。受付は、こちらからお願いします!」
まぶしい程に輝く笑顔に、落ち着きのある声。
なんでだろう。胸がドキドキする。
受付の先生が私の名前を聞く。
それよりも、あの先生の名前が知りたい。
「未来、名前言わなきゃ。」
お母さんに頬をつつかれて私は、我に返った。
「ごめんなさい、橋本未来です。」
私の受付を担当している女の先生は、「はい、合格おめでとうございます。あちらから、体育館にお入りください。」と優しい声と笑顔で教えてくれた。

合格発表をするまでは、受かってるかなぁとか友達できるかなぁとか制服をうまく着こなせるかなぁとか、みんなが感じてる不安を私も感じていた。
だけど、合格した今私が感じるのはあの先生の存在。
「あの人が、担任の先生だったらいいなぁ…」
「未来、さっきからどうしたの?」
お母さんが聞く。
「ううん、明日からはひとりで来なくちゃいけないから緊張しちゃう。」
本当に緊張する。ドキドキがおさまらない。
「大丈夫。みんな、最初はそうなんだもん。未来にはきっと素敵な友達ができるわ」
「うん、そうだと嬉しいっ」
胸まであるふわふわした髪の毛を、お母さんが優しくなでてくれる。
大丈夫、きっと学校生活もうまくいくー…恋も。