流石にもう一発は勘弁だというように青木は納得していないがそれ以上の文句は言わずに大人しくなった

少し痛そうなのを莉子が心配そうに見つめると、青木は何でもないと強がったように微笑む

(……意外と痛そうなんだけど……やっぱ彼女の前じゃねぇ…そりゃ強がるわ;;)

呆れたように三人のやり取りを見終えた響は、少し申し訳なさそうな気持ちになった

しかし、こうやって誰かとふざけあえるというのは羨ましくて懐かしくも思える

けれど、響の記憶の中心に居るのは………もうこの世に居ない人物で……それを壊したのが自分なのだと改めて認識させられるモノだから切なくも感じていた

窓の向こう側をボーッと眺めながら、手元にあるアイスコーヒーをストローでかき混ぜてカランカランと氷の音が鳴る

そんな、儚げな表情を圭と達巳が見ていたとも知らずに

「…響?大丈夫?」

「んっ?あぁ、平気。でさ、この後どうすんの?」

「アタシはどっちでもいいけど……深窪君は?」

「計画通りにする」

「っは?なにそれ。この期に及んで実行する気かよっ」

様子を伺うように莉子がチラッと圭をみると、まるで当然だと言わんばかりに言い切るので達巳が突っかかった

それでも変更はないと言いそうな意思に青木はやっぱりなぁと苦笑する

「えー・・・なら、達巳同伴にしてくれたら行かなくもないよ」

「駄目だ」

「なら行かない」

「………はぁ……仕方ない。ならオマケとして着いて来てもいい」

「オマケってなんだコラっ」

かなり嫌そうな顔で納得していない圭の言葉に達巳はワラワラと怒りで震え訴えるが、本人そっちのけでことは進む進む

「よーし。なら、昼飯食ってからって事で」

「良かったねっ!深窪君っ」

「おぅ」

「ちょっ俺の意見は無視かっ!?」

「………諦めろ、達巳」

「~~~~~空太までっ;;;」

女子チームは既にメニューが決まったのか、この後どこに行くのかと相談をしている

渋々、かなり渋々だが達巳も諦めてメニューに目を通せよ

(……まぁ、響が楽しそうだし仕方ねぇか…;;)

「おい、早く決めろよ」

「分かってんよっ!」

圭の急かす声に苛立った声で言い返すと急いで注文を決める達巳であった