もう一度、莉子に伝えると本格的に涙ぐみながら莉子は言葉を口にした

「ひ、ひびき~……アダシ……コグハクの返事……ちゃんとOKずる~」

「あー、もう……泣かないのー!」

「うぅぅ…」

泣きじゃくる莉子を宥めて、気持ちが落ち着くまで待った

十分後くらいたつと莉子はハンカチで涙を綺麗に拭き取って泣き止んだ

「落ち着いた?」

「…うん。ありがとう響」

目は少し赤い莉子が笑った顔に安堵の溜め息を吐いた

……昔から、涙には弱いな私;;

「で?告白の相手は誰なの??」

「……響は知ってるかな?青木空太君って言ってね…///」

莉子の言葉に私はピクリと反応した

…青木空太(アオキソラタ)?確か、その名前どこかで……

莉子は、思考に走る私に気付かず話を続けた

「“黒龍士”っていう族の幹部なの///」

「…えっ!?」

「ど、どうしたの?響」

黒龍士(コクリュウシ)という言葉に驚いた私が声を上げてしまって莉子が不思議そうに首を傾げた

…黒龍士…だから聞いたことがあったのか…

暴走族の中でも全国No.2と言われている“黒龍士”は、知る人ぞ知る正義感のある族だ

無意味な暴力や麻薬などは一切しないと言うので有名で、その族自体は百人居るか居ないの少数だが根性と強さは人一倍ある

…私が居た“天空龍神”も含め、あとNo.2とNo.3の族には噂で“三獣士”と密かに呼ばれているらしい

ただの強さだけではいけない

大切なモノの為に戦い守り抜き、そして女子供には手をださない

それが心の強さだと理解している族という点で、そう呼ばれているらしい

……まぁ、私はそれを後から知ったんだけどね…;;

今思えば、とても恥ずかしい噂である

「響?」

「ん?ああ、噂で聞いた事あるね。でも、大丈夫?暴走族なんでしょ??」

「大丈夫だよ。青木君は凄く優しくて紳士だから♪」

本当に嬉しそうに莉子は話す

余程彼が好きなんだと私は微笑ましくて、莉子の頭を撫でた

「莉子が幸せだと、私も嬉しいなぁ」

「あっ!そうだ、響。お願いがあるんだけど…」

「ん?」

「青木君の所に一緒について来てくれない?」

「……え、いや…それは…;;」