なんやかんやでやっと落ち着いたメンバーは、今の状況を整理するために近場にあるカフェ店に移動した

「……で話しを整理するけど、今日は莉子と青木と“俺”と圭のWデートを仕組んでいた…であってるかな?」

「う、うん…;;」

「それで?それを知った達巳が阻止しようと待ち合わせの場所に先に着ていたと」

「まぁ、その必要も今はなさそうだけど。響、男装中だし」

「………そんで圭は、寝坊して遅刻したと。計画立てた張本人なのに?」

「……………朝方まで寝れなかったんだよ」

ニコリと口元は笑っているが目元は全く笑っていない響に莉子は申し訳なさそうに頷き、達巳は頼んだオレンジジュースをストローで混ぜて何食わぬ顔で言う

真っ正面に居る圭に視線を向ければ、顔を逸らして拗ねたように言い訳をした

響は今日何回目かの溜め息をして頭を抱える

「………あのさぁ、莉子を使って“俺”を呼び出すの止めろよ。莉子だっていい迷惑だし、それに付き合わされるこっちも疲れるんだよ」

「………さっきから気になってんだけど、その男口調なに?」

「達巳。じゃあ逆に聞くけど、この格好で私とかキモい以外になんかあんの?」

「…………;;;」

未だ不機嫌かつ笑っているのかいないのか分からない響の顔に誰もが黙ってしまう

圭は差ほど気にしていないようだが…;;

「あーもう………今日、莉子と初めての遊びだと思って楽しみにしてたのになぁ」

「えっ?初めてじゃなくない?」

「休日で出掛けるのは初だよ」

「……あー、そう言えばそうだねっ」

「そうだよ。…だから、こんな事になるなんて思ってなかったし……ショックだなぁ」

「ご、ごめんね?今度の休日は二人で遊ぼっ!ねっ!」

落ち込む響の姿に莉子は焦るように慰める

因み、響と莉子が隣同士で向かいには男連中が座っていた

窓から圭、青木、達巳の順番で

「…今日、莉子と二人だからってこの格好して虫除けしようとしたのに……本物の騎士様が現れるしさぁ」

「それは……面目ない;;;」

「挙げ句に?今日はやたらと手首掴まれるしぃ……」

拗ねるようにブツブツぼやく響に達巳と青木がギクリッと硬直する

圭はピクリと耳を動かした

「えっ、青木君以外にも手首掴まれたの?」

「そー、達巳にねー。待ち合わせの時間がくるからって引っ張られて」

「………………空太、達巳。歯ぁ食いしばれ」

二人の名前が出たと思えば、拳を作った圭が二人に向かって殺意にも似た殺気を放つ

「わーっ!待て待て、俺のは不可抗力だっ;;」

「俺もとっさだったから不可抗力だわ」

「ちょっおま、言いながら俺を盾にすんなよっ!」

「空太…ファイト☆」

「テメッ!ふざけんなっ」

骨は拾ってやると付け足した達巳は青木を盾にしてニヤリと楽しそうに笑う

ギャアギャア騒ぐ二人に圭は作っていた拳を青木の頭に向けて落とした

「問答無用だ馬鹿野郎」

「イッ!なんで俺だけっ!?」

「そっちは届かねーんだよ」

「ほんっと理不尽だねっ!!?」

「……もう一発喰らうか?」

「…っ……………チクショー…;;;」