達巳に足蹴りをする響に、圭は微かな違和感を胸に感じた

(……たまたま知り合った…にしては、仲良すぎじゃねぇか?)

モヤモヤが胸にまとわり付く

多分これは、嫉妬なのだろう

自分にすらあんな自然な響は出せない

自分が知らない響を、達巳は知っているのだ

そう思うと、無性に腹が立った

考えるよりも身体が勝手に動く

「っうぁ!?」

グイッと響を自分の胸に引き寄せる圭は、警戒と威嚇の目で達巳を睨み付けた

「…………俺のだ」

「えっちょっ……圭?」

「…バーカ、まだテメェのじゃねぇだろ」

達巳も負けじと圭を睨みつける

その間に居る響は何がどうなっているのか分からず混乱していた

(…なに、この状況……;;;)

二人の交わる視線が火花を散らしているのは、響以外が見えているだろうこの状況

「いい加減に、しろっ!」

「った、」

「イテッ」

すると、痺れを切らした青木が二人に拳骨を食らわして響を引き剥がした

「藤崎さんが困ってんだろっ!あと、変な噂流れるから止めろよなっ」

(おぉー、流石隠れ副総長……なんか知らんけど助かった)

「……響、凄い人達に好かれたね…;;」

「んー、好きで好かれた訳じゃないんだけどねぇ。なんでかな?」

「………さぁ、なんでだろーね;;(天然って怖いわ;;;)」

本気で不思議がる響に、莉子はもう何も言うまいと苦笑するだけだった