「……ったく、なんだよ。俺、ただカッコ悪いだけじゃん…;;;」
暫くして笑いが落ち着くと青木に笑った説明と響の男装についてを話した
うなだれる青木に何故か謝る莉子に響はフォローをしようと口を開く
「いやでも、格好良かったよ?莉子に本気なんだって伝わったし、ね?」
「う、うん!青木君、格好良かったよ!!」
「……そーゆー慰めとか要らないッス;;」
もの凄く恥ずかしいのか、青木は軽く頬を染めて苦笑いを浮かべた
「つーか、分かってんなら止めろよな?達巳っ」
「イテッ」
隣にいた達巳に八つ当たりをする青木に響はまた笑う
「てか、なんで居るの?」
「え?安藤さんに聞いてないの??」
「莉子に?なにも聞いてないけど……」
不思議に思って聞くと青木も不思議そうに聞いてくる
視線を莉子に向けると視線を逸らされた
「あ、あー・・・アハハ;;;」
「りーこー?」
「ゴメンなさいッ!でもどうしてもって言われてっ」
「誰に」
「……………………………深窪君に」
白状した莉子に響は盛大な溜め息を零した
(……マジか、莉子を利用して呼び出すとか………てかその張本人が遅刻するかフツー;;)
怒りを通り越して呆れる響である
仕舞いには頭が痛くなって眩暈を起こしそうだ
「………わり、遅れた…」
頭を抱えていると、噂の張本人様がタイミング良くかは分からないが現れた
響はピクリと反応して、莉子を利用した事を怒ろうと視線を向ける
「ちょっと圭っ!アンタね………っ」
「………?」
圭に視線を向けたのと同時に響の声は途絶え、怒りもスッと消えた
何故、響が固まっているのか
それは、普段隠している圭の髪が露わになっていてフード付きのパーカーすら着ていなかったからだ
微かな風で揺れ動くサラサラな白銀の髪に太陽の日差しを浴びてキラキラと輝いて見える


