「っ響、急に走んないよ。ビックリすんだろーが」

「あ、悪い悪い;;」

「えっ、えぇ!?ななな、なんで黒龍士の久遠さんがっ!!?」

小走りで近寄って来た達巳に莉子は驚きのあまりに目を見開く

「あー、友達って空太の彼女だったんだな。そりゃ見たことある筈だわ;;」

「そーなん?でも昨日の時、莉子居なかったよ??」

「……まぁ、彼女さんの前で言うのもアレだけど……アイツ、やっと付き合えたとかでツーショットの写真めっちゃ嬉しそうに眺めてたからな…;;;」

「マジかよw」

「ちょーマジっ」

だから幹部の皆は青木の彼女が莉子だと知っているんだと達巳は言う

それを聞いて莉子は嬉しそうな恥ずかしそうな顔をする

「も、もーっっ青木君のばかぁ///」

赤くなる顔を莉子は両手で覆い隠した

莉子のその姿はあまりに可愛いく微笑ましくて響はヨシヨシと頭を撫でる

「────っおい、触んな」

「…っ!!?」

暫く撫でていると、背後からドスの効いた低い声と手首を強く掴まれていた

振り返るとそこには殺気を放つ怖い顔をした青木の姿だった

「人の女に手だすんじゃねぇーよっ」

「え、あっ…ちょっ青木君!?」

「安藤さんは下がってて。危ないから」

莉子には優しい声音で言う青木

後ろに隠すように庇うその姿は、なんとも言えないデジャヴである

可笑しくなったのか、つい笑ってしまった響に青木はまた睨み付けるような視線を響に戻した

「ア?何が可笑しいんだよっ」

「…っク…アハハハ!駄目だ、我慢出来ねぇ!www」

さっきまで蚊帳の外にいた達巳が耐えきれなかったのか、盛大に笑い始めた

それを境に響も笑い出す

「バッカお前っ…!せっかく我慢してたのにっ…ww」

「いやいや、デジャヴ過ぎんだろっコレは!w」

「えっ、は?達巳??何がどーなって…」

笑い出す二人に青木は訳が分からず戸惑っていると、後ろにいた莉子が申し訳なさそうに青木の服を引っ張った

「えっとね……そこに居るの、アタシの友達……響なの;;」

「…………………っは、はぁあー?!」

莉子に聞いた途端、響の方に振り返り瞬きを数回したのち叫ぶ青木

それを見て更に笑う二人がいた事は言うまでもない