可笑しいというように笑う達巳に不機嫌そうな顔で睨む圭

けれど、敵に向ける殺気のある睨みじゃないのは達巳が一番よく分かっている

「……いや、やっぱそうだよなと思ってさ」

「あっ、そ」

「拗ねんなよ。総長だろーが」

「拗ねてねぇっ」

「いやいや、拗ねてるって」

明らかに拗ねているのを認めない圭に、達巳は可笑しそうに笑いながら部屋を出て行く

居間に行くと悠大と歩は居らず、代わりに怜がパソコンを弄ってくつろいでいた

どうやらあの二人は空太の彼女を見に行ったらしい

怜が呆れたようにぼやいていた

ソファーの方を見ると、バイクが載っている雑誌をペラペラとめくり欠伸をする淳はいつも通りに過ごしている

最近はあまり暴れる事がない為、これが今の日常だ

けれど、平和過ぎるこの日常が嵐の前触れだと気付くのはきっと全ての者が後から知る羽目になるとも知らずに