「あー、ハイハイ。もーしませんて。なんか萎えたし、外の空気吸いながら煙草吸ってきますわ~」

渋々だが調べる事を諦めた怜はパソコンを閉じて外へ出て行った

怜が出て行ったのと同じタイミングで響を送った達巳がやっと帰って来たので、圭はまた立ち上がり達巳に歩み寄る

「ただいま~」

「達巳、お前随分遅かったな。何かあったのか?」

「んー?いや、別に。それより怜とすれ違ったけど…何かあったの」

何事もなかったように達巳が会話をするが、少しだけ機嫌が良さそうに見えるのは圭だけだろうか

けれど話そうとしない達巳に圭は何も言わずに黙ったままジッと様子を窺っていた

「それがさぁ~」

「歩っ!」

ニヤニヤとしながら歩が話そうとすると、圭が慌てて止めようと声を荒げてそれを見た悠大がお腹を抱えて爆笑しだす羽目になり、状況が把握出来ていない達巳は勿論の事に首を傾げて「なんだよ?」と言いたそうな表情をしている

このままだと余計な事を達巳に伝わると思い、圭がどうにかしようと考えていた時

「あれっ?なんだか賑やかだな。何の話だ?」

また誰かが入って来たと扉に振り向くとそこには空太の姿があった

「それが、俺にも分からないんだよ」

「言わねぇよ、ぜってぇ言わねー。テメェらも教えんなよ!」

「「えぇー」」

睨みを利かせて忠告する圭に、悠大と歩が見事にハモりブーイングをする

「えぇーじゃねぇよ。あと、そうゆう時だけハモんなキモイ」

「だって面白れぇじゃん。お前が初めて転かされた話だぜ?」

「あぁー、あれか……」

悠大が嬉々とした顔で話すと、空太が呆れたように納得した表情で言うので達巳が更に不思議そうに首を傾げた