「まぁ、間違ってはないな」

「あ、やっぱり?」

圭が微笑しながら言うから私も少しだけ笑った

それに達巳と圭が釘付けになったのは言うまでもないが、当の本人は知らない

「てかさ、なんで”表側“じゃ知られてないの?」

「別に意味はねぇけど…単に面白いかなって」

「面白いて;;」

悠大はニカッと歯を見せて笑って、私はなんとも言えないようになった

なんだか彼らを少し知ってしまってから”なんだコイツら“と思ってしまう

けれど、それが嫌な訳じゃなくてむしろ…なんと言うか、その逆の気持ちになりそうだった

(…ははっ、なんだよ。全然違うな)

自分が昔居た場所と今居る場所は似ている部分があるけれど、知れば全く違うのだと感じた

「なんだかなぁ、ますます私が居てイイ場所じゃないんだよねぇ;;」

「はっ?居てイイに決まってるじゃねぇか。馬鹿かお前」

「っ…馬鹿なのは圭だと思うけど?」

いつの間にか私の側に来た圭が、独り言を聞いたのかそんな言葉を吐いた

でも私は、その前に気になって仕方なかった事を圭に聞いてみる

「…圭は、いつまでフードを被ってるつもりかな?」

「あ?」

「んー。前にも言ったからもう言わないけど、隠してるのは勿体ないよー」

「っな!?///」

「あれ?どしたの圭?」

先程からフードを被ったままの圭のフードを取ると、ほのかに頬が赤く染まった圭が目を見開いて私をみた

…はて、私は何かしたかな?(←天然乙;;)

本人は自覚が無いのか不思議そうに圭を見ていると、途端に携帯が鳴りだした

「あ、タイマーしてたんだった」

「なんのタイマーや?」

「んー、帰宅するタイマー?」

怜は不思議そうに私に言ってきたから笑ってそう返した

携帯を開けると八時一分と表示されていたので、私はそろそろ帰ろうと荷物を抱える

「えっ?もう帰っちゃうの!?」

「うん。てか、ほぼ脅されて来たようなもんだしね」

しょんぼりとする歩に、少しだけ申し訳なさがあるが仕方ない事である

「…脅してないだろ」

「ん?どの口が言うのかな?」

「この口」

「あー言えばこう言う。今日は莉子がいたし、アンタがしつこかったから仕方なく来ただけだから」

「言っただろ。お前を諦めるつもりはない」

「………そういうの、本当に迷惑だから」

私は一気に冷めた目で圭を睨むが、それを見ていた達巳がスッと間に入って私の手を背中越しで掴んできた