「…はぁ;;」
「あぁ~あ、いつもの悠大いじりが始まったよ」
「えっ?いつもなの??」
「そだよ~」
「へ、へぇ;;」
いつの間にか隣にいた歩が、呆れたように呟くので私が聞くとニッコリと笑顔で答えてくれた
その回答に少しの疑問があったが、それ以上はツッコむのを止めた
…無視しよう、うん;;
未だにじゃれあっている二人を見ていると、圭が気を取り直そうとして咳払いをワザとらしく二回する
「…お前ら、本題に入るぞ」
じゃれあっていた二人はその言葉で気付いたのか、気まずそうに笑ってソファーに大人しく座った
歩と怜は既に各自に座っていて、淳は壁に持たれて目を伏せていた
私は圭の言葉に理解出来ずにいて首を傾げる
「本題?」
「ああ。……お前を今日ココに呼んだのは“天空龍神”についてってのもあってな」
「!」
圭は如何にも高そうな黒の素材のソファーに座って、ヤレヤレといったように溜め息を吐いた
しかし私には触れて欲しくない内容な為に、身体が緊張で硬直するのが分かった
まさか、バレたのか…?
と思っていると、急に圭が真剣な表情になった
「お前、“紅蓮”が何故姿を眩ましたのか知っているんじゃないのか?」
「…なんで、私に聞くの?」
「一週間前に、お前が言った言葉が引っかかったんだよ」
緊張感の中で、私は一週間前の事を思い出していた
けれどどれの事なのかまでは分からずに黙っていると、圭がまた話し出した
「『呆気なく壊した”紅蓮“は消えた。もう、どこにも居ない。彼らを傷つけたまま 』って言ってたぞ」
「…それが何?」
「何故、”紅蓮“が消えた理由をお前が知っているんだ?」
「っ!」
「それに、どこにも居ないってのはなんだ?この街からか、それとも国からか?」
真剣な眼差しで眉間には皺を寄せている圭に、私はしまったと思った
あの時はカッとなってしまい、冷静な判断が出来なかったのだ
しかし、よく考えれば何か誤魔化せるかもしれない
私は頭をフル回転して考えた
「…つか、空太は居ねぇの?」
「っだぁー!お前なぁー、大事な話し中だろーがよ!」
「はぁ?悠大には聞いてないんだけど」
達巳は何を思ったのか、青木が居ない事を突然と口にした
それで重かった空気が一気に垢抜けたようになり、周りも溜め息をする
圭は後頭部を掻きながら呆れたように達巳に言った
「…アイツはいいんだよ。そーゆう約束だったから」
「約束?」
聞き返した達巳の言葉に圭は言いずらそうに目を逸らした


