ボーっと空を眺めたり、気が向いたら煙草を吸い、またボーっとして…それを繰り返す内に学校が騒がしくなった
どうやら全ての授業が終わったらしい
時間が経つのは早いものだと私は溜め息を吐いて、煙草の火を消した
時計は持ってきていた鞄の中に再度入れて、煙草も突っ込んだ
ちゃんとバレないように制服は消臭液の入ったスプレーを振って、口は匂い付きのガムで誤魔化した
手は臭い取りのモノが手元になかった為に後で洗剤で洗うことにした
「…さてと、莉子に怒られる前にライン返して戻りますか」
少しだけ気分転換になったのか、気持ちは落ち着いていた
私が教室に戻ると、案の定莉子に怒られたがそこまでではなかった
「…もう、一言くらい言ってから居なくなってよね?先生に聞かれてどう答えたらいいか困ったんだから!」
「ごめんごめん。気付いたら寝てたんだって;;」
莉子にはラインで今起きて気付いたと送っていた
流石に無視してたとは言えなかった
自分勝手な行動をしてしまったのだからそれは仕方ないのだが
莉子が私を見つけた瞬間の顔を思い出して更に反省した
今にでも泣き出しそうな顔が一瞬にしてホッとした顔になったからだ
(…ごめんね)
口には出さないが、心の中で謝った
暫くは莉子の悲しむ事は出来ないと思った
そして、帰りのホームを終えて私は鞄を持って立ち上がった
「響!今日は一緒に帰ろーね~」
「うわっ!?莉子、急に腕引っ張らないでよ!」
「青木君、今日は迎えに来れないみたいだから寂しいの!」
莉子は私の腕を離さないというようにガッチリ掴み、さっさと下駄箱に向かっていた
(…ん?なんか、嫌な予感が…)
そういえば以前にもデジャヴな事があったような気がする
私は莉子の”青木君居ないから寂しい“という言葉に少しだけ油断していた
「あっ!いたいた」
「…………っやっぱりか;;」
下駄箱で靴と上履きを交換して履いた私達は正門をでると、そこには一週間も逃げ続けた相手が待ちかまえていた
「久し振りだな、響?」
「……………;;」
久し振りに会った相手、圭は何故かご立腹のようで眉間にシワを寄せていた
隣で未だガッチリと腕を掴んで離さない莉子を睨むが、効果はないと分かって盛大に溜め息を吐いた
「…アンタも懲りないね」
「ああ。俺は諦めてやれるほどできちゃいねぇんだ」
開き直ったように言う圭に私はまた溜め息を吐く
「…それに、気になる事もあるし」
「はっ?”気になる事“?」
「まぁ、今はアンタらを”あっち“に連れて行くのが先だがな」
「……あっちってまさか;;」
「そのまさかだ。別にお前が来なくても安藤だけ連れて行くのは決定だ」
まさに嫌な予感が的中したとはこの事だ
圭は莉子を囮にして私をあっちに連れて行こうとしているのだ
…”あっち“いわば、彼らの”アジト“のような場所だ
そんな危険度のある場所に私が一人で莉子を向かわせる筈がないと踏んだのだろう
(くそっ!……やられた;;)
今の圭の顔は勝ち誇ったようになっていて物凄く腹立たしいことこの上ない
けれど、今ココでまた断れば莉子を悲しませるかもしれない
それに、今更だが関わり方を変えれば大丈夫なのではと思った
昔の自分ではなく、今の私として戦いに交えなければいいのだ
「…はぁー、分かった。仕方なくついて行ってもいい」
「っ!!」
「やった!深窪君、響がいいって言ってくれたよ!」
私の諦めたよいな言葉に圭は驚き、莉子は喜んでいる
…ああもう!莉子が笑ってりゃあなんでもいいわ!(←開き直りました…;;)
圭は少し動揺しているが、なんだかんだ言って直ぐに車の手配をし私達はそれに乗って”アジト“に向かった


