イリエワニの老婆と和解した私は、

このおぞましき屋敷に住むこととなった。


今となっては、

祐樹くんの生存や

突如襲撃してきたハチの存在など
どうでもいいのだった。




あの夜、私と祐樹くんが体験したおぞましき出来事は
そんなにおぞましくもなかったような気もしているのである。


そもそも、さびれた洋館ということだけで
ビクビクして
その場でおこる事象のすべてが怪奇現象であるなど
まるでガキの妄想。もしくは絵空事のようである。



所詮この現実世界で起こる奇異な出来事の大多数は
アタマの足りていないウジ虫どもの
勝手な想像・幻想の類に他ならぬ。