プリズム!

(いや…心の狭さと言うよりは、嫉妬…だよな…)

思わず小さく溜息を吐いた雅耶の様子に。


「…雅耶?どうかした?」


夏樹が心配げに見上げて来る。

(俺の下らない嫉妬心で、夏樹に余計な心配掛けてるようじゃ世話ないよな)

雅耶は気を取り直して笑顔を浮かべると、

「いや、何でもないよ」

そう言って、夏樹の頭をポンポン…と軽く撫でた。


「ねーねー♪折角こんなにご馳走があるんだもん。そろそろ食べようよー。何だか腹空いてきちゃったよー」

テーブルに手をついて料理を眺めながら長瀬が言った。

「あ…うん。そうだよね」

そう答えつつも、何故か外を気にする素振りを見せる夏樹に。

「何?もしかして、他に誰か来るのか?」

雅耶もその視線の先を眺める。

「うん。実は、もう一人か二人?来る予定なんだけど…」

部屋の壁時計を見上げながら夏樹は「遅いな」と呟いた。

「一人か二人…?って、曖昧なんだな」

その言い回しを不思議に思った雅耶の後ろで、長瀬が「あれー?」と声を上げた。

「友達は呼ばなかったんじゃなかったの?夏樹ちゃん、そう言ってなかったっけ?」

「ああ、うん。友達は呼んでないよ」

その夏樹の返答に『じゃあ誰を呼んだの?』…と皆が思ったその時だった。


ガチャ…。


向こうで、玄関の扉が開く音が聞こえた。