無情にも呼び出し音が鳴り続ける電話を一旦切り、雅耶がもう一度掛け直そうとした、その時…。
逆に、突然電話が掛かって来てビックリする。
(…夏樹かッ?)
慌てて画面に目を走らせるが、そこには『長瀬』と表示されていた。
「…はい」
『あー雅耶?今ドコいんの?夏樹ちゃん、見つかったかっ?』
「…いや。電話掛けてるんだが全然出なくて…」
周囲のざわめきが煩くて声が聞き取り辛いので、出来るだけ人のいない方へと足を向ける。
『あのな、さっき伝え忘れたんだけどさ、俺らが夏樹ちゃんと別れた場所は中庭だったんだ』
「…中庭?」
すぐに中庭までのルートを頭に浮かべ、そちらに足を向けようとするが、次の長瀬の言葉にそれは打ち消される。
『それで今、俺らで中庭に行って来たんだけど、もう夏樹ちゃんはいなかったよ』
「…そうか…」
『一応言っておくけど…。俺らが食事に行く時さ、夏樹ちゃん一人をそこに残して行くのも気が引けて声は掛けたんだぜ?でも、お前からの連絡待ってるから、二人で行っておいでって後押ししてくれたんだよ。夏樹ちゃん、俺達を応援してくれたんだ…』
「そうだったんだ…」
(夏樹らしいな…)
逆に、突然電話が掛かって来てビックリする。
(…夏樹かッ?)
慌てて画面に目を走らせるが、そこには『長瀬』と表示されていた。
「…はい」
『あー雅耶?今ドコいんの?夏樹ちゃん、見つかったかっ?』
「…いや。電話掛けてるんだが全然出なくて…」
周囲のざわめきが煩くて声が聞き取り辛いので、出来るだけ人のいない方へと足を向ける。
『あのな、さっき伝え忘れたんだけどさ、俺らが夏樹ちゃんと別れた場所は中庭だったんだ』
「…中庭?」
すぐに中庭までのルートを頭に浮かべ、そちらに足を向けようとするが、次の長瀬の言葉にそれは打ち消される。
『それで今、俺らで中庭に行って来たんだけど、もう夏樹ちゃんはいなかったよ』
「…そうか…」
『一応言っておくけど…。俺らが食事に行く時さ、夏樹ちゃん一人をそこに残して行くのも気が引けて声は掛けたんだぜ?でも、お前からの連絡待ってるから、二人で行っておいでって後押ししてくれたんだよ。夏樹ちゃん、俺達を応援してくれたんだ…』
「そうだったんだ…」
(夏樹らしいな…)



