プリズム！

「雅耶…？お前、こんなとこで何やってんの？」

長瀬は僅かに眉根を寄せると、雅耶と一緒のテーブルに居るメンツに目を走らせながら言った。

「何って…。合同イベントの実行委員の集まりで、親睦を兼ねての食事会…だけど？」

珍しく怪訝そうな表情を見せてこちらを見下ろしている長瀬に、雅耶は訳が分からず首を傾げる。

「…夏樹ちゃんは？一緒じゃないの？」

「え…？ここにはいない…けど…？」

そこまで言って、不意に今の状況に違和感を覚えた。


「あれ？って言うか…。お前こそ、夏樹と一緒じゃなかったのかよ？」


そう言いつつも長瀬達の様子を見てみれば、二人だけで食事をしていたのは一目瞭然だった。

きっと、この子が長瀬の言ってた『気になる子』なんだろう。

二人だけで食事をしていたということは、ある意味上手く彼女を誘えたということか。


（でも、ちょっと待て…。それじゃあ夏樹は…？）


長瀬の後ろで夏樹の友人の女の子が不安げな表情を見せた。

「…どうしよう…。夏樹ちゃん…」

両手を口元に当てて動揺している様子のその彼女の小さな呟きに、長瀬は一旦彼女を心配げに振り返ると、今度は怒りを含ませた責めるような視線をこちらに向けて来た。