プリズム!

所変わって、食堂では…。

美味しいと評判の成蘭高校の学食メニューが一般客も安く食べられるとあって、ショッピングモールにあるフードコートの(ごと)く、多くの賑わいを見せていた。


成蘭高校と成桜女学園の合同イベントの実行委員である雅耶達も、親睦(しんぼく)を兼ねて…ということで、食堂の一部を陣取って皆で食事をすることになった。

顔合わせの際は緊張気味だった双方の生徒達も、今では割と打ち解けて、和気あいあいと会話に花を咲かせている。

そんな中、雅耶も笑顔で相槌を打ったりしてその場では楽しそうに食事をしていたが、心の中では若干気落ち気味だった。

(実行委員なんか、先輩に泣き付かれても引き受けるんじゃなかったな…)

思い切り後悔していた。


会議中に抜けることが難しいのは分かる。

仕事を引き受けている以上は、そこは流石に我慢するつもりでいた。

(本当は、今日の集まりにも出なくて良いって話しだったんだけどな…)

だが、会議後の食事会ともなれば話は別だ。

事前に約束があることも先輩には話していたし、様子を見て抜けていいと会議が始まる前に承諾も得ていた筈なのだ。

だが、成桜の生徒会長が雅耶と面識のある薫で。

話し合いも皆が緊張する中、打ち解けている雅耶にばかり薫が話しを振って来て、そこから全体が和気あいあいとした雰囲気へと変わっていったので「お前が成桜との窓口、つまり連絡係決定な」と、成蘭の生徒会長直々に任命されてしまったのだった。