プリズム!

(…見たことない奴らだな…。上級生か…?)


警戒しつつも『冬樹』の直接の知り合いではないことに安堵(あんど)する。

だが、その生徒達は傍まで来て夏樹を見るなり驚きを口にした。

「うわっ!ホントだ。マジで野崎そっくり!」

「なっ?スゲーだろッ?」

「なぁ、もしかしてキミ双子だったりする?」

まるで見世物扱いだ。


「………」


変に絡まれるのは御免だ。

その嫌な好奇の目から逃れようと、夏樹が無言でその場を立ち去ろうとした時…。

「おっと!」

一人の男が、夏樹の前へと立ち塞がった。

「………」

今度は、その男の横を抜けて行こうとするが、また(はば)まれてしまう。


「…そこを、どいてくれませんか?」


すると、目の前の男はニヤニヤと嫌な笑みを浮かべた。

「何だよ、つれないこと言わないでさ。少し俺達と遊ぼうぜ?」

「そうそう…」

「もっとお話ししようよ」


(いや)らしい笑みを浮かべた男達に。

結局、周囲を囲まれてしまうのだった。