未だに男言葉も抜けない、中途半端な自分。
素直に自分の気持ちすら言葉に出来なくて、優しい言葉を掛けることも、女性らしい気遣いも皆無な自分…。
今の自分は、以前の『冬樹』として過ごしていた自分ではない。
でも、女の子としての『夏樹』にもなりきれていない。
成蘭にいると、中途半端な自分を思い知らされて、疎外感ばかりが募って行くような気がした。
吹き抜けていく冷たい風に暫く当たっていたら、頭が冷えて来たのか気持ちが少し落ち着いて来た。
…というより、身体そのものが冷えきってしまっていたのだが。
(自分が中途半端なのを棚に上げて、何一人で落ち込んでるんだ…。それこそ、女々しいっての…)
夏樹は自分の両頬を両手で軽く叩くと気合を入れた。
女の子らしくなりたい…とは思うが、決して女々しくなりたくはない。
とりあえず、一人でこんな所でいじけていても仕方ない。校舎の方へ戻ろうと、その場を立ち上がったその時だった。
「いたいた!かーのじょ。こんなトコロで何やってんの?」
校舎の側から数人の男達がゾロゾロと歩いて来た。
皆、成蘭の生徒達のようで制服や学祭用に作った揃いのTシャツなんかを着ている。
だが、純粋に学祭を楽しんでいる生徒達…というよりは、何処か不穏な空気を身に纏っている集団なのが見て分かった。
素直に自分の気持ちすら言葉に出来なくて、優しい言葉を掛けることも、女性らしい気遣いも皆無な自分…。
今の自分は、以前の『冬樹』として過ごしていた自分ではない。
でも、女の子としての『夏樹』にもなりきれていない。
成蘭にいると、中途半端な自分を思い知らされて、疎外感ばかりが募って行くような気がした。
吹き抜けていく冷たい風に暫く当たっていたら、頭が冷えて来たのか気持ちが少し落ち着いて来た。
…というより、身体そのものが冷えきってしまっていたのだが。
(自分が中途半端なのを棚に上げて、何一人で落ち込んでるんだ…。それこそ、女々しいっての…)
夏樹は自分の両頬を両手で軽く叩くと気合を入れた。
女の子らしくなりたい…とは思うが、決して女々しくなりたくはない。
とりあえず、一人でこんな所でいじけていても仕方ない。校舎の方へ戻ろうと、その場を立ち上がったその時だった。
「いたいた!かーのじょ。こんなトコロで何やってんの?」
校舎の側から数人の男達がゾロゾロと歩いて来た。
皆、成蘭の生徒達のようで制服や学祭用に作った揃いのTシャツなんかを着ている。
だが、純粋に学祭を楽しんでいる生徒達…というよりは、何処か不穏な空気を身に纏っている集団なのが見て分かった。



