『誤解?そんなのされないわよ。うちらにとっちゃ可愛い弟だからねっ!』

まさか、声に出てたなんて!
『…っっっ〜』
そう思うと顔が赤くなった。
と半面胸がチクッと痛んだのを感じた。

"うちらにとっては可愛い弟"

その言葉が胸に突き刺さる。

『んー?可愛い弟君。顔が真っ赤だよ?どーしたのかな?』
時々葵ねぇちゃんはからかって楽しむ。
『もうっ!からかわないでよ。僕もう行くねっ!』


そう言って走りながらこう思った。顔が赤いのは、葵ねぇちゃんを『1人の女』として見てるからだよって。


そう思いながらも、 自分のクラスに入っていく。

『おはよっ!みんな』

クラスのみんなは、元気よく返してくれた。
一部の男子を除いて。


『ケッ!何がおはよーだ?お前最近調子乗りすぎなんだよ!あんな美人を引き連れて!
自分はカッコイイと思ってんの?』

その言葉に胸が傷つく。
しかし、その時だった。

『何よっ!あんた達ひがみ?飛鳥君はそんなこと考えてないわよっ!ってか母性本能くすぐるだけよ』

その言葉は救いだった。
しかし、『母性本能をくすぐる』から男として見られないのかな?
その日から僕は変わった。