だけど、ある日父さんと母さんが元気に御見舞に来た。

「彼方!
私たちにねもう一人子供が出来たの!」

まだお腹は大きくなっていなかったが、優しく自分のお腹を撫でる母。

「きょうだいができるなー」

とにこやかな父

「ほんと?俺、お兄ちゃん?」

「えぇ。」

「わーい、女の子?男の子?」

「まだわからないみたいなの。」

「もうすぐわかるさ」

愛おしそうに母のお腹を見つめる父

僕も嬉しかった......

その時は。







その日の帰り、

「じゃあ、彼方」

「ばいばい!」

満面の笑みで出ていった両親。

でも、なんかおかしかった。


いつもなら、「また明日ね!」
とか、「しっかり寝るのよ!」
とかなのに今日は

『次』がないかのような言い方。