『死ぬかもしれない。』


......じゃなくて



『死ぬんだ。』

って思った瞬間。

いつ死ぬか分からないなんて、小学生の僕には到底難しい話だった。

もしかしたら、明日寝たまま目覚めず死ぬかもしれないし、うまくこの命を使えばまだ少し生きていられるかもしれない。

脳をフル回転させて、やっと出た答え


親より先に死ぬってこと......









それから、御見舞に来るものの暗くなった母と父。

作り笑いを見せるようにまでなった。

「彼方...大丈夫だから貴方は大丈夫...」

いつも母はそんなことを言ってた。



それは僕に言ってるものじゃなくて、

自分に言い聞かせてるんだと思う。


父さんも父さんで、

「彼方、お前は何も心配することは無い...
俺が変わってやれたら良かったのに。」

とか、どっかの映画とかドラマにでもありそうなセリフを口に出してた