私は、『質問さん』と呼ばれ恐れられてきた毎日が懐かしく感じる。

恐怖に怯え、逃げ惑う人々のあの表情が、懐かしい。

その時、ざわざわとした教室内に響いた言葉が、私の手を止めた。


「ねぇ、質問さんって知ってる?」