「これ、美味しいですね~」


食卓に並んだ和洋折衷の料理を前に舌鼓を打つ樹荏。


ばくばく食べているが、フォークとナイフを使いこなし、食事のマナーが悪くないのは意外だった。

丁寧に、残さずきれいに食べている。


呼び鈴が鳴り、諏訪が来た。


「遅くなりました」


「まあ、諏訪さん!!お久しぶり!!素敵な紳士になって!まだテニスしてるそうね??」


母が玄関で出迎える。


「それは大変でしたね」


さっきの騒動を伝える母。


大きな花束を抱え、咲希に手渡す。


「おめでとう、素敵なレディになったね」


「わあ!!ありがとう!!綺麗!!」


頬にキスをする諏訪。
やきもきしながら見る樹荏。


「キザったらしい!!寒イボ出るわ」


「今日も咲希の学校と練習試合して。僅差でうちが負けましたからね。大したものですよ」


「まあ!!じゃあそのお祝いもしなくちゃ」


「その前に俺と対戦したお陰やな」


確かに樹荏と勝負したお陰でたまこに勝てた部分もあったが。


「それとれとは違います!!」