が、


「咲希??」


「えっ??」


「やっぱり咲希だ!!」


30代と見られる、かなりのイケメンだ。ラフなジャケットを着こなした、180㎝はありそうな爽やかな青年が微笑んだ。


物腰が柔らかそうで、小脇に抱えたノートパソコンが、仕事の出来る男を演出している。


「可愛くなってるから、見違えたよ」


きょとんとする咲希。


「ああ、覚えてないか。諏訪晄(スワアキラ)。咲希の幼馴染みで今はIT企業の経営者。月2で高校のテニス部のコーチも兼任してるんだ」


突然現れた大人の男に動揺する樹荏。


「ちなみに、櫻家公認の婚約者。」